企業事例
Sprint社

Crystal Ball を活用して顧客に合ったサービスの提供を目指す

お読みいただく前に

いずれも少し古い事例となり、現在も使われているかの保証はありません。しかしながら、Crystal Ballは現在も国内外において、以下と類似する目的でご活用いただいております。広くはリスク分析の企業への適用事例としてご参考になるかと思い、掲載をしております。

Crystal Ball を活用して顧客に合ったサービスの提供を目指す

1999年12月にニューヨーク市とニューヨーク州でスプリント社が開始した住居用CLEC(Competitive Local Exchange Carrier)ベースの電話サービスは当時、非常に強い関心を集めました。地域住民向けのサービス導入は、地域住民からなる市場の対象セグメントと中小企業事業主からなる新市場部分の両方から大きな反響を得たのです。

しかしこういった中小企業事業主の一部には、サービスの選択にジレンマがあるようでした。ニューヨーク州でスプリント社が提供するサービスの多くが地域住民向けの料金設定であったのです。

スプリント社は住民ではない顧客にはビジネス用サービスを提供するなどして、顧客の電話パターンにより応じていく必要を感じていました。

Jeff Blase氏はスプリント社の全国顧客消費者部門のアソシエイト・ファイナンシャル・アナリストとして、どの顧客がビジネスプランにより合っているかを決定する仕事を任されました。

Blase氏は豊富な中小企業事業主顧客の情報を自由に分析することができたのですが、そのデータを単にニューヨーク州の顧客データと比較するだけでは十分でないと考えていました。

どの顧客を新サービスに移行させるかという点について経営管理者を説得するために、彼はスプレッドシートモデルを作成し、地域住民のCLEC顧客の電話パターンを独自に予測しました。

当時、Blase氏はCrystal Ball の担当を始めてから比較的日が浅く、ディスカウントキャッシュ・フロー分析などのアプリケーションをまだ数ヶ月しか扱っていないような状態でした。

しかしこの顧客識別の仕事を任された氏はCrystal Ball とモンテカルロ・シミュレーションを使用することで、地域住民のCLEC顧客の電話パターンを予測することができたのです。

氏は始めに、決定論的スプレッドシートモデルを作成し、市内電話サービスに加入した地域住民の予想電話パターンを示しました。彼はそれから、Crystal Ball で10から15種類の正規分布と対数正規分布の確率分布にモデルを発展させました。

市内通話数、市内通話時間、長距離通話時間、そしてボイスメールや発信者番号通知サービスなど顧客の電話の特徴などが、仮定の変数に含まれます。

分布をより現実的にするために、氏は媒介変数(最小値、最大値、そして標準偏差)を現実の顧客データから抽出しました。氏はさらに、スプリントの顧客データに基づくもの、そして独立系供給メーカーから得たベル・アトランティック社のデータに基づくモンテカルロ・シミュレーションをそれぞれ10,000回実施しました。

この結果、現実に当てはめた確率分布とシミュレーションで得た分布のテールを比較してみた時に、統計的に有意な差異があったのです。その結果を見る限り、一部の顧客はビジネスプランに適しているという仮説が支持できるのに十分なものでした。

顧客のニーズとスプリント社のプランを調整してより効率的なサービスを提供することにより、Blase氏は280万ドルもの削減見積もりをすることができたのです。

Blase氏にとってCrystal Ball の最大のセールスポイントは、複雑なアイデアとデータを処理する能力です。

「確率分布を図表で表したことが、経営管理者に対してこのプロジェクトの可能性を説得する際にとても大きなポイントとなりました」と氏は述べています。

Blase氏の直属の上司であり熱心なCrystal Ball ユーザーであるChad Lander氏は、スプリント社が社内でCrystal Ball の使用を増やすよう調整したことが良い判断だったと考えています。Lander氏は次のように言います。

「Crystal Ball は、特に伝統的な分析方法の使用でアナリストや経営者が社の進むべき方向が見えなくなっている時に、説得力ある正確な分析をすることができるので、実に貴重なツールなのです。」

来たるプロジェクトでは、Blase氏とその部署では、Crystal Ball で引き続きリスク分析をすることにしています。「Crystal Ball はもっと活用の余地があります。Crystal Ball のツールをもっと使いこなしたいです。」と氏は付け足しました。シミュレーションに加え、感度分析のトルネードチャート ツールと、最適化のOptQuest ツールを、プロジェクト進行を監視するために使用したいと氏は考えています。

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