囚人人口予測の鍵となるCrystal Ball

Fentress社は、ワシントンのバルティモアに本社を置くコンサルティング会社です。彼らは、特に、さまざまな合衆国の司法制度に関するリソース計画を専門に、コンサルティングサービスを提供しています。

Fentress社の経済学と統計の専門家であるTom Rubino氏は、クライアントに対し、長期的な人材配置計画と作業計画を立案する責任者です。 1990年代半ば、U.S.Marshals Service(USMS)の囚人担当部門は、囚人の数の予測が的確にできないことを悩んでおり、解決策として、Fentress社のRubino氏の能力とCrystal Ball Professional の機能に着目しました。

合衆国の司法制度の元で、刑務所に入所してくる囚人の数を予測することは、一人の囚人が入所してくるまでに通る経路パターンの複雑さと、時間のばらつきによって、非常に困難なものとなっています。 例えば、ある囚人が無実を主張して非常に長い裁判に行っている間に、他の囚人は、早々に司法取引に応じて、刑期を終えていることもあります。

加えて、USMSは、94もの管区によって構成され、それぞれが独自の経路パターンとそれに基づく囚人を抱えています。 ごく最近まで、USMSは、回帰と移動平均、単純な傾向モデルといった、非常に簡素な手法でしか囚人の予測を行っていませんでした。

この予測の結果が、実際に投獄される囚人の数より下回った場合は、USMSは、非常に重大な計画変更と予算の危機にさらされるという状況だったのです。 このような状況の元、Fentress社とUSMSは、ダイナミックな囚人の数の予測を行うためには、単純な統計的手法よりも、シミュレーションモデルが適切だと考えました。

USMSの囚人部門は、シミュレーションを行うためにFentress社にデータを提供し、Fentress社は、このデータを元に、Crystal Ball によるシミュレーションモデルを構築しました。これらのモデルによって、連邦の司法管区ごとの囚人の予測が提出されました。

次に、それぞれの地区の毎月の予測は、囚人人口の統計年報を作成するために利用されました。結果として、 USMSのマネージャは、Fentressの協力の下、この年報を利用し、的確な予算を計画することに成功したのです。

「より重要なことに」とRubinoは付け加えます。「我々は顧客に対して、要求されたリソースについて、常に高い信頼性に基づいた情報を提供しています。同時にリスクを含めて予測を行うことは、確定的かつ不正確な予測に基づく非能率な予算編成の元でのシステムに比べ、司法における公正な判断を効率的に成し遂げることを保証します。」

Rubinoは、囚人の人口予測の信頼性を増すために、Crystal Ball Professional で提供されているブートストラップの機能も利用しています。また、彼はCrystal Ball Professional のDeveloper Kit を利用し、シミュレーション結果のレポートを自動で出力するようにプログラムを組みました。

Crystal Ball のレポート機能は、94それぞれの管区のシミュレーションを行うFentressと顧客であるUSMSマネージャに対し、シミュレーション結果を、より多くの関係者に提供するための効率的な手段を提供しています。 また、Developer Kit は、レポート以外にも、大量のシミュレーションプロセスを自動化するために、非常に有効なツールとなっています。

現在、Fentressの顧客には、連邦上級検事局と連邦裁判局の二つの組織が存在します。連邦検事局に対しては、将来の会計年度における人員配置計画を立案するための予測を、そして、連邦裁判局に対しては、将来の裁判所の設置計画を支援するための非常に長期の予測を提供しています。 いずれの場合においても、またFentressの将来の業務においても、RubinoはCrystal Ball Professional が常に必須の道具であると認識しています。

Rubinoは、現在、囚人人口の予測モデルに、Crystal Ball Professional の最適化計算を利用し、USMSに対して、予測のみならず、最適な計画立案のためのモデルを提供するように要請されています。 「Crystal Ball Professional は、我々の業務に大きな信頼性を与え、そして、この信頼性が連邦法務局を通して、さまざまな新しい契約を生み出している」とRubinoは言っています。

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