企業事例
3M社
Crystal Ball で原価予測が向上
お読みいただく前に
いずれも少し古い事例となり、現在も使われているかの保証はありません。しかしながら、Crystal Ballは現在も国内外において、以下と類似する目的でご活用いただいております。広くはリスク分析の企業への適用事例としてご参考になるかと思い、掲載をしております。
Crystal Ball で原価予測が向上
Muilenburg氏は、ミネソタ州セントポールの3M株式会社のプロセス・ディヴェロップメント(工程開発)部に勤務しています。この部署でMuilenburg氏は、設計技師や研究開発室、そしてさまざまな製造工場の間を取り持つ折衝役として活躍しています。
設計技師は生産規模設備(Production Scale Equipment)のデザイン、研究開発室は製品の試作品開発、また製造工場は実際に製品を仕上げる作業をそれぞれ担っています。Muilenburg氏はこれまでに、最適な製造工程の確認、ならびに製造過程において必要とされる設備や原材料の種類を明らかにする目的で、Crystal Ball を利用してきました。
特に、Muilenburg氏の業務のうち、製品開発の初期段階における費用の予測計算では、Crystal Ball は重要な役割を果たしてきました。この予測計算は往々にして非常に複雑で、時間がかかり、沢山の変数処理を要求します。
今回、Muilenburg氏はある新製品の製造プロポーザルを受けたため、まず、単位原価の予測計算を始めました。製造に必要な原材料の費用を推測するため、Muilenburg氏はまず購買担当に連絡をとりました。その際、最も新しい原材料価格のみならず、過去12ヶ月から24ヶ月までの価格データが集められました。これらのデータによって、原材料の価格変動の傾向、そして価格の変動幅と分散を確定することが可能になりました。こうした分析を通じて、Muilenburg氏は予測計算の誤差を補正することができたのです。
製造量、材料廃棄物、新製品製造に伴う転換コスト、そして資本支出なども、単位原価の予測計算における重要な変数です。Muilenburg氏はこうした諸変数を計算に取り入れることによって、それぞれの変数が単位原価の予測にどの程度影響を与えるか、ということをより明確に把握することができるようになりました。Crystall Ball の感度分析を用いることによって、変数ごとの影響力をグラフィカルに把握することができたのです。またCrystall Ball を利用することによって、製造量、原材料費、あるいはその他の重要な諸変数の値を変更することで様々なシナリオを作ることができるようになりました。
Crystall Ball は計画に柔軟性をもたらし、費用の全体像、また諸費用の相互関係を理解するために重要なステップを提供したのです。Crystall Ball の利用によって、より信頼ある予測計算が可能になり、ひいては製品製造やマーケティングの際に、3M社が予想外の費用に悩まされる、ということも無くなったのです。
Muilenburg氏の以前の分析手法は、Excel上で単純なWhat-if分析を行うことでした。この分析は長い時間と労力をかけて、”最高”、”最悪”、そして”最も蓋然性が高い”という三つのシナリオをはじき出します。しかし多くの場合、Crystall Ball が提供する”最も蓋然性が高い”シナリオの信頼度は、この分析の信頼度を凌駕するのです。Crystall Ball の利用によって、経営判断を数値化し、3Mの市場競争力を向上させるような単位原価費用を目標とすることが、初めて可能になったのです。
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